■MOS-FET 1素子A級シングルパワーアンプ基板キット
■概要
◇1素子という意味:
- 「直接音声信号で動作する能動素子」が1個ということです、他に安定動作のための補助回路が必要ですが、直流領域での動作です、したがって実質1素子で動作していますので「1素子パワーアンプ」と命名しました。
◇特徴
- 動作: A級シングル
- チャンネル数: 1チャンネル
- 最大出力: 4W(4オーム)
- アイドリング電流: 30mAから1.5A(半固定ボリュームで調整可能)
- オーバーオールのNFBはありません、無帰還アンプです
- ゲイン: 0dB(1倍)
- 帯域: 0.5Hzから500KHz
- 出力ノイズ: 実測0.1mV
- 自動オフセット安定化回路により出力のDC電圧を10mV以下に保ちます。
- 自動アイドリング電流安定化回路により電流値を常に一定に保ちます。
- 電流安定化回路は「超高域補償型」を新規に開発しました(オーディオワークス・オリジナル)、これにより広帯域で定電流特性を保ちます
- 電源オン時のポップノイズはパワーFETの種類やばらつきにより発生します。
- 電源オンからアイドリング電流と出力オフセット電圧が安定するまでに30秒程度かかりますのでミューティング回路があった方が良いです。
- パワーMOS-FET(回路図のFET1)をお好みの物に自由に取替え可能です(お客様の責任で)、許容電力損失が50W以上でパッケージタイプがTO-247が使いやすいです、また、入力容量(Ciss)の小さい方が音質的に有利です。
- ヘッドホンアンプとしても応用可能ですので、その場合はもっと小型のパワーMOS-FETも使えます。
- ヘッドホンアンプの場合は定電圧電源を使ったほうが良いでしょう、ノイズを少なくできます。
- SiC(シリコンカーバイド)パワーMOS-FETを使う場合はリップルの無い定電圧電源が必要です。
- 入力のカップリングコンデンサに高音質な「ポリプロピレンフイルムコンデンサ」を採用。
◇アンプ回路のFETやトランジスタの能動素子数を減らせば情報欠落が少なく鮮度の高い音質を得られやすいという事実があります、それならば、最少数の1個で作れないか?ということから考えてみた回路です。
◇必然的にパワーMOS-FETのソースフォロワーになります、トランジスターではベース電流が必要なため1個では難しくなります。
◇単に1個だけでは動作の安定しない回路になります、周囲温度、素子温度によりアイドリング電流、オフセット電圧がふらついて実用になりません。
◇そこで、補助回路として自動オフセットコントロール回路と自動アイドリング電流コントロール回路を導入しました、これにより高安定度の回路になっています、補助回路は直流領域で動作しますので音質にはあまり影響しません?(たぶん)。
◇付属のパワーMOS-FETはオーディオ用とされている物ではありませんが、N型パワーMOS-FETであればほぼすべての物が使えますのでお客様の手持ちの素子に取り換えも簡単です。
■構成図
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■■詳細は「1素子パワーアンプ基板キット」を参照願います■■
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■製作例
- 音は実にリアルで本格的です。
- 1素子(実質)のみで動作しているため情報損失が大変少ないです・・・感動まちがいなし!
- 一般的なアンプとは全く違う感じの音になります。
- 小出力アンプにありがちな低音がでなかったりすることはありません。
- 電源部は強力です、通常のアンプでしたら50Wx2出せる容量があります。
- ケースサイズは幅330、奥行き230、高さ99mm
■電源部の例1
■電源部の例2
■注意事項
◇絶対最大値
- 主電源: ±15V
- 補助電源: -30V
◇電圧ゲインは0dB(1倍)です、一般的なパワーアンプは30dB(≒30倍)程度あります、これは、「1素子パワーアンプ」で大きな出力を得るには大きな入力電圧が必要であることを意味します、例として、CDプレーヤの出力(≒2Vrms)を直接「1素子パワーアンプ」に入力しても、1Wしか得られません(4オームスピーカで)。
◇しかし、実際には1Wでも家庭では大きな音量ですのでボリュームを絞って聴いています
◇A級動作であるため、アイドリング電流が大きく発熱も大きくなります電力効率も非常に悪くなります、パワーFETは大型放熱器に取り付ける必要があります、電源部も出力に対して大きなものが必要になります。
◇入力は低インピーダンスで駆動してください、入力に直接パッシブタイプのボリュームをつけると高域の落ちた音になります。
◇入力インピーダンスが高いためオープンのまま電源を入れると出力にハムノイズが出ますが、入力に機器を接続すると消えますので使用時は問題ありません。
◇音質に大きく影響するパーツは入力のカップリングコンデンサとFET1ですのでお好みの物に替えても良いでしょう、ただし、C1の定数は変えないでください、出力オフセット電圧の安定度に影響する場合もあります、FET1を替えた場合最悪発振のおそれがあります、その場合はR2の値を大きくしてみてください。
■ゲインが不足する場合の対処
1素子パワーアンプの入力にラインアンプ(+12dB程度)を入れるとよいでしょう
■ボリュームの入れ方
■配線接続例 電圧は参考値です
■電源関連とミューティング基板